底が浅くて上すべり。

また嫌な虐待事件が起きてしまいました。
妻の連れ子に虐待、という事ですが、詳しくは書きません。
あまりにもひど過ぎるから。
想像を絶するほど残忍な事をしてるから。


こういう虐待事件が起きるといつも思います。
「よくこんな残酷な事思いつくな」と。
こういう人は、相手をどうやっていじめてやろうかと常に考えているのでしょうか？


仏教では、人間の本質は慈愛だと説きます。
いい事をするのは喜びで、悪い事をするのは苦しみであると。
ものすごく簡単に言うとね。
私もそう思います。
しかし、そう思う一方で……


人を幸せにする方法はなかなか思いつかないのに、
人を痛めつける方法はいくらでも思いつくのはなぜだろう？
そうとも思ってしまって、いつも悩みます。


私にも経験があります。
昔の話ですが、ある人をひどく恨んだ事がありました。
「あの人が不幸になればいいのに！たとえば……」
などと、ひどい事をたくさん想像していた時期が。


今振り返ってみれば、それは苦しみであり悲しい事なんですが、
本当に次々に思い浮かぶんですよ。
そして、それが現実になった時の事を想像すると愉快でしょうがないんです。
そんな恐ろしい快楽を私は知っているのです。


でもその快楽って、全然気分が晴れないんですよね。
人の不幸をいくら願っても「あー楽しかった！」とは思わないわけですよ。
むしろ、心がどんどん荒んでいくのを感じていました。


そこで私は、
「ああ、この快楽ってのは偽物なんだな、
本当は自分で自分の心を苦しめているんだな」
という事に気づいて、悪い想像を断ち切る事ができたのです。


偽物であっても、どうして人間は快楽を感じてしまうのでしょうねぇ？
快楽に負けちまったら終わりなのにねぇ。
悪い事しか考えられなくなるのは辛い事なのにねぇ。
人間って怖い＆弱いものだよねぇ……


間違った快楽に負けないように、自らの心を監視し、自ら律する。
実はこれが仏教の真髄なんだけど、なかなか難しいですね。
人生は修行の連続ですね。

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