底が浅くて上すべり。

ちょっと前の話になりますが、お盆に海を見に行きました。
家から車で2時間くらいの距離。




低気圧が去ったばかり、という状態だったもんで、
空は曇ってるし海は灰色だし波は荒れてるし、
まああまりきれいな海ではありませんでした。


砂浜まで降りて海見るのなんて何年ぶりだったかな。
それにしても波すごいな。
ザッパーンとかそんなもんじゃないよね。
ドォォォォとかゴォォォォとか、低いうなり声みたいな音すんのね。


しばらく灰色の海を見ていて、
そういえばこの色どこかで見たような気がするなーと思ったら、
あの時何度もテレビで見た、大津波と同じ色でした。


これが高さ10mもの水の壁となって、
こっちに向かって来る景色を想像してみようとしたけど、
全然できなかった。
「想像を絶する」とはこのような事を言うのでしょうね。


この海の中には、未だ戻らぬ人たちもいるのでしょうか。
彼らが最後に見たものは何だったのか。
最後に望んだ事は何だったのか。
最後に会いたかった人は誰だったのか。
そして今伝えたい事は何なのか。


海は全部知ってるんでしょ？
せめて残された人たちに伝えてあげてくれないかな。
失われた命はもう戻らないけど、
それで残された人の気持ちに一つの区切りみたいなものがつくと思うんだよ。
知ってるんなら伝えてあげてよ。


……なんだよ、無視かよ。
知らん顔でゴォゴォ言ってんじゃねーよ。


そんな事を考えていたら、




いつの間にか足元まで水が来ていたので、慌てて逃げました。

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