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2025年05月29日
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西原理恵子 ぼくんち

2008年12月08日

最近テレビにもよく出ますね、西原理恵子。
「毎日かあさん」の連載開始以降、急に露出が増えた気がします。
この間、NHK「トップランナー」にも出てました。
天下のNHKで放送禁止用語でも言っちゃうんじゃねーか?
と若干ヒヤヒヤしながら見てました。

まあ、何も起こらなかったんですけどね。
司会の箭内さん(初対面)を「ばか」呼ばわりした以外は……

西原さんの代表作といえば、やっぱり「ぼくんち」でしょう。
私が持ってるのはこっちなんですけど。

5f860194.jpeg全3巻を一冊にまとめた方ですね。
単行本はオールカラーですが、こちらはモノクロです。


「貧しさの中、たくましく成長してゆく兄弟の物語」


ネット上でそんな表現を見つけましたが、
それはちょっと違うんじゃないかな~。
それじゃまるでいい話みたいじゃない。


私に言わせれば、


愛とエロスと血と涙と絶望を寸胴鍋に放り込んで、
10日間煮つめてデミグラスソースにしたようなお話。


世の中には幸せになれる人と、どう頑張っても幸せになれない人がいる、
というどーーーしようもないリアリティを描くお話。


それでも、人は生きていくしかない・生きていかなければならない、
という諦めをつきつけるお話。


そんな感じ。


この漫画に出てくる人は、
老若男女問わず犯罪に手を染めなければ生きていけない、
そんな劣悪な環境にいる。


「真面目にやってれば、いつかいい事があるよ」


そんな甘っちょろいファンタジーは、誰の心にもない。
そんな夢を見る余裕なんてない。


だけどみんな、誰かを愛し、愛されて幸せに生きることを望んでいるのよね。
恋人でも、家族でも。


そんなささやかな願いでさえも……
ほとんどの人は叶わない。


この漫画のラストシーンはハッピーエンドなのだろうか?
意見が分かれる所でしょう。


私はバッドエンドだと思う。
結局望みは叶わずに崩壊してしまったのだと、私は思っている。
満面の笑顔で終わるお話。
だけどその笑顔が、胸をえぐられるほどに悲しい。


そんな悲しい話を、
いかにも「お涙ちょうだい」な感じじゃなく、
淡々と描く西原理恵子はやっぱり異常天才なんだと思う。
「毎日かあさん」でファンになった人は、
「ぼくんち」読んだらどう思うんだろう?


 

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