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西原理恵子 ぼくんち
最近テレビにもよく出ますね、西原理恵子。
「毎日かあさん」の連載開始以降、急に露出が増えた気がします。
この間、NHK「トップランナー」にも出てました。
天下のNHKで放送禁止用語でも言っちゃうんじゃねーか?
と若干ヒヤヒヤしながら見てました。
まあ、何も起こらなかったんですけどね。
司会の箭内さん(初対面)を「ばか」呼ばわりした以外は……
西原さんの代表作といえば、やっぱり「ぼくんち」でしょう。
私が持ってるのはこっちなんですけど。
全3巻を一冊にまとめた方ですね。
単行本はオールカラーですが、こちらはモノクロです。
「貧しさの中、たくましく成長してゆく兄弟の物語」
ネット上でそんな表現を見つけましたが、
それはちょっと違うんじゃないかな~。
それじゃまるでいい話みたいじゃない。
私に言わせれば、
愛とエロスと血と涙と絶望を寸胴鍋に放り込んで、
10日間煮つめてデミグラスソースにしたようなお話。
世の中には幸せになれる人と、どう頑張っても幸せになれない人がいる、
というどーーーしようもないリアリティを描くお話。
それでも、人は生きていくしかない・生きていかなければならない、
という諦めをつきつけるお話。
そんな感じ。
この漫画に出てくる人は、
老若男女問わず犯罪に手を染めなければ生きていけない、
そんな劣悪な環境にいる。
「真面目にやってれば、いつかいい事があるよ」
そんな甘っちょろいファンタジーは、誰の心にもない。
そんな夢を見る余裕なんてない。
だけどみんな、誰かを愛し、愛されて幸せに生きることを望んでいるのよね。
恋人でも、家族でも。
そんなささやかな願いでさえも……
ほとんどの人は叶わない。
この漫画のラストシーンはハッピーエンドなのだろうか?
意見が分かれる所でしょう。
私はバッドエンドだと思う。
結局望みは叶わずに崩壊してしまったのだと、私は思っている。
満面の笑顔で終わるお話。
だけどその笑顔が、胸をえぐられるほどに悲しい。
そんな悲しい話を、
いかにも「お涙ちょうだい」な感じじゃなく、
淡々と描く西原理恵子はやっぱり異常天才なんだと思う。
「毎日かあさん」でファンになった人は、
「ぼくんち」読んだらどう思うんだろう?